働く職場を守り・労働者の生活と権利を守ろう!
                                     弘栄堂書店労働組合

 出版業界も上昇気流に乗れないでいるが、書店業界はトーハン平成19年度版「書店経営の実態」によると12年連続で売上が減少し、昨年は平均2.2%ダウンしている。コンビニエンストアの雑誌売上の伸長、ブック・オフなど新古書店の拡大による書店シェアーの減少(約65%)。また、メガ書店といわれる大型書店の出店攻勢とあいまって、web書店といわれるインターネット取引の増加など、リアル書店といわれる店舗をもつ中小零細書店の経営環境は、厳しさを増し、存亡の危機に瀕している。
 弘栄堂書店は、本年1月に小岩駅ビル改装を機にした親会社・鉄道弘済会の指示による小岩店の撤退によって希望退職者を募集し、第11期決算では、あろうことか、商品事務処理の数年間に渡る処理ミスによるとされる特別損失約7000万円を計上するなど、新会社設立後12年目にして赤字決算に陥り、ますます苛酷な条件下での労働が強いられている。
 こうした経営の状況下、劣悪な労働者の賃金・労働条件は変わらず、固定化の道をたどっている。具体的には社員の平均賃金が、勤続33.3年、平均年齢56.1歳、基準内賃金平均25万5560円、一時金の昨年実績は、夏冬合計で年間約3ヵ月(合計約80万円)という低い数字が象徴している。年収は平均約380万ほどにしかならない。我が社の平均年齢の高さと平均勤続の長さからすれば、生活できる賃金からはほど遠いと言わなければならない。ましてや定年後の高齢者雇用による嘱託雇用では、年収が約200万円にまで下がってしまう。
 3年前8月6日、吉祥寺駅ビルロンロンの隣、京王線吉祥寺駅ユザワヤ店地下にワンフロアー500坪の啓文堂書店が出店、JR改札口を挟んでの書店間の競争になり、130坪の弘栄堂書店が500坪の店に対抗するには、売上では勝ち目のない、実に厳しい店舗環境となっている。
 今後は、親会社鉄道弘済会が関連事業を、平成8年の閣議決定「公益法人の設立許可及び監督基準」において原則的に株式保有が禁止されたことによって、保有株式の処分に努めていることから、会社の存続そのものが、小岩店撤退のように、親会社の一存で決まってしまうという事態を迎えているのではないだろうか。我が社の場合は出版書店業界の影響下にありながらも、労働条件や会社の経営展望については、親会社関連企業の実態に左右される現実がある。
 貧富の差が拡大し、社会状況はより厳しいが、そのことによって労働者の権利、生活が著しく侵害されるとしたら、それはまったく受け入れることのできない事である。私たちはこれまでと同じく会社を真に展望あるものにするためにはいかなる協力も惜しまないが、当然ながら会社も私たちの生活と権利、労働条件の維持向上への努力をするという前提がなければならない。これらの困難を共有しながら、上部団体の仲間や、JR鉄道関連労の仲間、書店の仲間、争議団の仲間など、企業を越えてできるだけ多くの労働者と連帯しながら少しずつ道を切り開いて行きたいと考えている。ご協力をお願いする次第です。