分会報告

   高齢者継続雇用条件など、労働者の権利と生活を守りたい!
                                                
                                    弘栄堂書店労働組合 

 出版業界は昨年、8年ぶりに前年を0.7%上回ったものの、再びマイナス成長となった。さらに、書店業界はトーハンン経営指標調査店では11年連続でダウンしている。コンビニエンストアの雑誌売上の伸長、ブック・オフなど新古書店の拡大による書店シェアーの減少(約65%)。また、メガ書店といわれる大型書店の出店攻勢とあいまって、web書店といわれるインターネット取引の増加など、リアル書店といわれる店舗をもつ中小零細書店の経営環境は、厳しさを増し、存亡の危機に瀕している。弘栄堂書店も例外ではありえず、来年1月からの駅ビル改装に伴う小岩店の改装予定について(75日間の休業)は、新情報として、同一ビルに競合書店の出店ということもあり、親会社・(財)鉄道弘済会は、つい先日、11月2日に小岩店撤退、改装後の出店を断念することを、組合に一片の相談もなく決定した。従って、今後は市川店と吉祥寺店の二店舗のみで営業をおこなうという、ますます苛酷な条件にさらされることになっている。
 こうした経営の事情を下支えしているのはあくまで労働者の低労働条件、低賃金構造である事は言うまでもない。具体的には社員の平均賃金が、勤続32.3年、平均年齢56.2歳、基準内賃金平均26万4800円、一時金の昨年実績は、夏冬合計で年間、3.009ヵ月+42000円(合計約80万円)という低い数字が象徴している。この平均賃金も55歳以上の社員は15%ダウンするので、もっと低下し、年収は平均400万を下回ることは確実である。我が社の平均年齢の高さと平均勤続の長さからすれば、生活できる賃金からはほど遠いと言わなければならない。
 一昨年8月6日、吉祥寺駅ビルロンロンの隣、京王線吉祥寺駅ユザワヤ店地下にワンフロアー500坪の啓文堂書店が出店、JR改札口を挟んで書店間競争に突入した。弘栄堂書店にとっては、平均10〜15%の売上ダウンを余儀なくされ、存亡の危機と、赤字必死の事態と言われたが、決算は商品不足の改善により、05年度は、黒字決算であった。
 現在、対会社との重要な交渉事項は、「改正高齢者雇用法」による65歳までの段階的定年延長、本年4月1日実施の62歳定年延長の義務化による雇用条件の交渉を行うことである。安心して働けると言うには程遠いが、それでも、あと一歩の労働条件を獲得するべく交渉を続けている。後一歩を越えられない主な原因として、経営側に現状の労働実態を正しく把握し、少しでも改善し、かつ、長期的に労働者の生活を保証しようとする制度の導入について十分な理解を示そうとしない消極的な経営姿勢が上げられる。 我が社の場合は出版書店業界の影響下にありながらも、労働条件については、親会社関連企業の実態(平成八年の閣議決定、財団は収益部門をもたないことにする)に左右される現実がある。貧富の差が拡大し、社会状況は厳しいが、そのことによって労働者の権利、生活が著しく侵害されるとしたら、それはまったく受け入れることのできない事である。私たちはこれまでと同じく会社を真に展望あるものにするためにはいかなる協力も惜しまないが、当然ながら会社も私たちの生活と権利、労働条件の維持向上への努力をするという前提がなければならない。これらの困難を共有しながら、上部団体の仲間や、JR鉄道関連労の仲間、書店の仲間、争議団の仲間など、企業を越えてできるだけ多くの労働者と連帯しながら少しずつ道を切り開いて行きたいと考えている。ご協力をお願いする次第です。ガンバロウ!