◆ 今 月 の 一 句 ◆    2005.4月

  大 井 恒 行 


囀 や 日 本 と い う ホ ー ム レ ス 
                                                                   
                                                           秋 尾   敏 

 囀(さえずり)と読む。春の季語。春ともなると、鳥は盛んに鳴く。繁殖期に入り、多くは雄が雌に呼びかけて鳴く。あとひとつは縄張りを主張するために、自らの領域を犯されないようにするために鳴く場合もある。「鳥の恋」「鳥つるむ」という季語もある。いずれにしても、鳥の囀りの声は、明るく、気持ち良く耳に響いてくる。 ホームレスと言う言葉はこの句では比喩的に用いられている。日本がホームレスだというのである。暖かく、小鳥の囀りも気持ちがいい。それでも、現在の日本の国のことを考えると、作者はそういう気分なのだ。従って、この句では、日本は共同体=共同性の象徴として考えられているようだ。しかし、実は、共同体も共同性もさまざまな相互の関係から成立しており、際限なく循環し、かつ開かれており、変形しうるものである。
 日米同盟のもと、アメリカに追従しすぎて、中国、韓国など東アジア圏、近隣諸国との友好関係はいまひとつだ。様々の選択肢の中から選ぶには進むべき選択肢では無いように思うのだが・・・。「あめんぼう毀す力が欠けている」(「軸」03年7月号)「騒擾の雲呼び集め荒神輿」(「軸」01年8月号)。
                1950年埼玉県生まれ。『現代歳時記』所載。



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